今回から、私どもの豆腐作りのポリシー「ミツの心【MITSU-ISM】」について、連載を開始いたします。私どものこだわりや、想い、豆腐に関するあれこれをお届けします。
私ども株式会社山下ミツ商店には、「ミツの心【MITSU-ISM】」という企業理念があります。
『願い』『誓い』『お約束』の3つから、成り立っています。その中の『お約束』の2条で、「国産大豆を消泡剤を使用せず炊き、天然にがりだけで固めます。」と謳っています。今回は、その中の国産大豆について書かせていただきます。
私が家業を継いだ1985年当時、山下ミツ商店の豆腐は国産大豆でなく、アメリカ合衆国オハイオ州産の大豆を使用していました。
学校を卒業し、地場食品スーパーで1年半働いただけで豆腐屋になった私は、豆腐についての知識が全く無く、何の疑問も持たずに祖母・母の下で堅とうふを習っていました。
そんな時、「この白峰という村であと40年豆腐屋として生きていかなくてはいけない。このままでいいのだろうか?」という疑問というか、不安のようなものが頭をかすめるようになりました。
「まず、いま習っている堅とうふでなくもっと広く豆腐を知ろう」と考え、豆腐関連、豆腐料理本等を読むようになりました。
そして一つだけ、確実に解かった事がありました。それは『豆腐は原料勝負である』ということです。どの本を読んでも「美味しい豆腐は国産大豆で作る」と書いてあるのです。
そういえば、評判で有名なお豆腐屋さんは、どこも国産大豆を使っています。
なるほどそういう事か!
たまたま堅とうふという珍しい豆腐を作っていることで、マスコミの方々などによく取り上げられたりされているけど、「うちの豆腐はどーってことない豆腐なんだ」と気づきました。
単細胞の私は、国産大豆と輸入大豆の違いや特性など全く考えず、「豆腐作りには国産大豆!」と考えるようになったのです。しかし・・・。(つづく) |