このコーナーでは、私どものこだわりや想い、豆腐に関するあれこれをお届けします。
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■連載第6回 「凝固剤って?その2」
もぎ豆腐店の茂木稔社長(現会長)から「にがりで固めた豆腐は、甘味(旨味)が違うよ」と教わり、私もにがり豆腐作りに取り組みました。もぎ豆腐店さんで見学させていただいた寄せ方を、見よう見真似でやりましたが、全く上手くできませんでした。
もぎ豆腐店さんでは、社員さんがいとも簡単ににがりで豆乳を寄せていたので、私も簡単に出来るだろうと軽く考えていたのです。
今思い出すと本当に恥ずかしいのですが、ただ凝固剤をにがりに変えれば出来ると思っていたのです。
豆乳の炊き具合・濃度・温度・にがりの量・攪拌方法等、様々な要素が合わさって、美味しいにがり豆腐が出来るという事を全く理解していませんでした。
何回やっても上手く出来ません。
毎日、固まり損ないの豆腐を捨てました。
さすがに毎日こんな事を繰り返すと「もったいない」という気持ちが大きくなり、家庭用の手作り豆腐キッド(【山下ミツNEWS:0009】で紹介)で練習しました。
それに同封されていた説明書で、にがり豆腐を作るための豆乳の濃度は濃くなくてはならない事、温度も丁度良い温度帯があること、にがりは凝固反応が早いので数秒で万遍に攪拌しなくてはならない事等を知りました。
数回繰り返すうちに、何となくコツのようなものを掴みかけ、上手く固めれるようになりました。
固まりたての朧豆腐をたべてびっくりです。豆腐が甘いのです。
何だこれは!!美味過ぎる!!!
にがり豆腐の美味しさに、心から感動しました。
そして、「これからはにがりで固めた豆腐を作ろう」と決心しました。
次に家庭用の量から、我々が作る量(工場の量)に合わせ練習しました。例えば、家庭用の大豆の量が200gでにがりの量が2gとします。単純に考えると、工場では大豆の量が4kgだったら、にがりは40gと思うのですが、なかなかそうはいきませんでした。
工場でのにがりの適量を探しあてるのにも、またひと苦労しました。
そして、あれやこれやと試行錯誤を繰り返し、燃える豆魂スペシャル豆腐1号(現「記まじめ!どっしり堅とうふ」)が完成したのです。
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