このコーナーでは、私どものこだわりや想い、豆腐に関するあれこれをお届けします。
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■連載第10回 「消泡剤不使用」
この連載のvol3とvol4で「消泡剤って」と題して消泡剤の問題点と私どもが消泡剤を使わなくなったきっかけをかきました。
そしてvol4の最後に「私どもが消泡剤を使わず豆腐を作れるようになるのは、それから数年後です。」と書きました。 今回は、消泡剤を使わなくても良い豆乳を炊く、設備導入の話です。
消泡剤の問題点を知り、消泡剤を使用せずに豆乳を炊こうと試みました。でも、当時の山下ミツ商店は、地釜で豆乳を炊いていたので何回チャレンジしても出来ませんでした。 「この地釜を使っている限り、消泡剤とは縁を切る事は出来ない」…目の前が真っ暗になりました。
そんな時、「豆腐の科学」という本に出会いました。この本は豆腐作りの歴史から、現在の製法に至るまでを様々な角度から解説していて、現在でも迷ったりした時に読んでいます。
当時は全くこの本の内容を理解できず、かえって頭の中が混乱しました。が、この本の表紙の裏にある沢山の豆腐機械の広告を見て「いろんな機械があるんだなー」と、中身より広告を興味をもって読んでいました。
その広告の中に「消泡剤不使用」を謳った密閉釜を見つけたのです。釜を密閉状態(圧力釜状態)にする事によって、泡が溢れるのを抑えるのです。 「これだ!この釜を使えば消泡剤を使わない豆乳が炊けるんだ!」
こうなると私は、デパートのおもちゃ売り場で駄々をこねる子供と同じです。
母に「この釜を買おう。頼むから買ってくれ!」と毎日ねだっていました。
そうこうして月日が経ち、白峰でも地域全体で下水道工事が行われることになりました。
私どもでも、その工事をきっかけに工場を新しくする事になり、それに合わせその釜を導入しました。
その釜を導入したおかげで、消泡剤不使用は勿論ですが、生産性が向上し、新製品作りに取り組む時間的余裕が生まれ「記まじめ!」シリーズが生まれていったのです。
・・・つづく
▼消泡剤不使用に関する豆魂日記もご覧下さい。
消泡剤不使用・手作りと機械設備1・
国産大豆・消泡剤不使用・天然にがり・高温寄せの絹豆腐 |